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小財布の役

.08 2009 革の部屋 Leather comment(0) trackback(0)


以前、財布を注文されたという話しを書いた。
あの財布は未だ作られていない。
私の生活の事情も勿論あることだが、頼んだ人もまた同じように生活事情はあり。
この写真の財布は、その人とあった時の見本だった。


この財布、私の心配が全部詰まっている。

模様にも見えるけれど、模様とは言いにくい不自然な穴がある。
端革を使うとこういうふうに穴もありますよ、と話した。当て革はしますが、と。
中もそう。小銭入れのふたが傷だらけだった。

「明るい色の革は牛、濃い茶色の革は馬、
こういう『混ぜもの』で作ることにもなりかねません。」
とも伝えた。

「一見、普通に見えますが、漉きにもむらが出ます」という状態を手にとって見てもらった。
もとが端の部分だから柔らかくて伸びやすい。
漉くにも限度がある。もとの革厚と同じような厚さ部分ばかりではないからだ。
それ以上漉くと革が伸びて痛むとか表面の傷から影響が出るとか。
コバを落とすのでさえ革の柔さが心配になる。
1mm厚くらいの革でポケットを作るにも悩むような、そんな話しが続いた。

もちろん歪みもある。
繊維なんて気にしてパーツの切り出しなんて出来ないからだ。
普通は気にする。当たり前のことなのに、『ここ』では大変なことなのだ。
せいぜい繊維に微妙に沿っているのを確かめて型紙を合わせるくらいが精一杯だ。


言い訳だらけの財布。
財布を作るために革を買う行動がないくせに、財布を作ろうとするとこうなる。
手持ちに財布向きの革がないくせに、作るとするとこうなる。

ここまで説明されて、それならいいです、と言う人は普通だ。
この人は『分かりました』と笑った。
そして、『僕は今お金払えないかもしれないから、ゆっくりでいいですよ』と言った。

こんなだけどいいの?と訊くと、分かりましたから、と短く答えた。


この人に何年使用しても壊れない崩れない財布を作るために、もう少し揃えたい物がある。
だから今、手元にあるのを駆使して作るわけにいかないのだ。


この小財布は『実用』という形にはなれないけれど、百聞一見に如かずの良い例になった。
見せながら説明をして、見て触って理解してもらえる。
「普通」の革製品との大きな大きな差を、分かってもらえる。
小財布は頼もしい助っ人として、端革という意味の紹介をしてくれた。



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