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矢の如し

.22 2009 他素材の部屋 Other material comment(0) trackback(0)



弓を失った矢だけがあるなんて。
ちゃんと弓をやっている人から見たら、申し訳ない矢ですけど。
この矢をまた飛ばしたいと思って眺めている。

河川岸で大量に生えていた背の高い草を何本もとってきた。
枯れて乾いた軽い草。筒のようで中は綿。節は残るが葉はなくて、真っ直ぐ立っていた。
集めて家に帰り、曲がりのある箇所を直して、筈の切込みを入れて、2つに割った羽を3枚接着した。
鏃は付けない。何に突き刺す気で作るものでもないから、重さのために麻糸を先に巻いた。


弓がまだ無事だった時に矢を飛ばしたが、気持ちよいくらい真っ直ぐ飛ぶ。
空気を切る音が楽しさをかきたてた。
また弓矢で遊びたいなぁと週末になるたびに思う。
なのに、弓本体が未だ出来上がらないまま。
丁度良い弓を作ろうと思っていると思案ばかりで進まない。


矢が飛ぶ様は、そこだけ時間が変わるように感じる。
放った自分と当たる的。
その間は近づくまでに何歩も何十歩も要るというのに、放った直後に矢は的を掴んでいる。
あの的までの視覚の距離を矢が移動する様子は、何だか不思議な時間だ。

矢が進む速度は見た目には一瞬。
その速さから、迅速な様を『矢』を用いて表現する言葉の多いこと。
車や電気などの速さを自分達の生活に取り入れるようになった現代でさえ、矢が飛ぶ姿は瞬きに等しく感じるのだ。


矢をつがえて引き絞る時が『今』であったとしても、矢が飛んだら、的に当たった矢が『今』となる。
一瞬の時間とは言え、『今」はすぐ『過去』になるのだ。

ほんの一瞬の『今』と『過去』。
射た自分がいなければ、的を掴む矢もいない。
一瞬の『今』が、失敗していようが上手くいってようが『過去』になって瞳に映る。
悔やむこともすぐ過去になり、嬉しさに踊るのもすぐ過去になる。
『今』は矢のように、常にほんの一度の瞬きで消えていく時間の最中なんだ。


生きている感覚の実感を不思議に思うなんて、随分鈍感な性質だけど。
現し世なんて矢の如し、人の生きるも飛ぶ矢の如し。

早く弓を作ろう。



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