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箱舟

.14 2010 革の部屋 Leather comment(2) trackback(0)




私が覚えているのは、ノアが天使に箱舟を作るように言われたこと。
そしてその巨大な箱舟製作の折に、周囲の人にもお告げを伝えたけれど嘲笑にあって取り合われなかったこと。
箱舟を作り終えて家族と一対ずつの動物達を乗せ終わると、雨が降り始めて・・・

その豪雨が洪水を起こし、世界を水が覆った何ヶ月。

雨がやんでも世界に陸地は見えなくて、水が引くまで箱舟はアララット山に乗っていた。
しばらくしてノアが鳩を放ったら、鳩はオリーブの枝を加えて戻ってきた。
その後再び鳩を放すともう戻ってこなかった。
鳩が陸地を見つけたことを知り、箱舟の話は無事に終わるのだ。


お告げを聞いた時のノアは500歳。
箱舟を作り終えたのは600歳。100年かかって、天使に言われたとおりの舟を作り上げた。
とっても頑張ったと思う。



私が作っていたこの小箱舟はほんの数時間。
100年かけて人力だけで巨大な箱舟を作り上げたノアは、ひたすら神様の言葉を忠実に守ったのだろう。
比べるものではないけれど、こんな私も神様は信じている。

箱舟の話を思い出しながら、雨の想像もつかないほど真っ青に晴れ上がった空を見ていた。

世界を飲みつくした大雨に現された神様の声なき怒り。
思い出せば思い出すほど、小さい頃に聞いた時の怖さが甦る。








日も暮れようとする頃。

この箱舟の形が出来て、ここから先にもう少し手を加えようかどうしようか考えていた。
でも。
やめておいた。物足りないくらい質素だけど、このままでいいと思うことにした。

救いの舟、そうと思えるのはそこに乗っていた限られた命だけだ。
乗っていた命だって、気が気でなかっただろう。
舟に乗っている以上、救われているのだとわかっていても。

笑い声の一つも上がる時がなかったくらいの怖ろしい出来事だ。


後の世にのん気に『作ってみたよ』程度で扱うのも気が引ける。
だから、このままで。











洪水が起こったのは、他ならぬ人間の堕落と愚かさゆえだった。

あの後(大洪水)、神様がもうこういうことはしないでおこう、と決めたという話がある。
これは聖書ではなくて、聖書からこぼれた別話としての記録だったか・・・忘れたけど。
確かそんな文章がある。


箱舟の意味は、助かりました、という話ではなくて、そこまで酷くて醜い世の中を洗い流した、という意味だ。
今生きていることにいろいろと重ねて思うことがある。

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