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ある、薬の話

.24 2010 一人芝居の部屋 comment(2) trackback(-)
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調べもので朝から晩まで終わってしまった一日。

いつからか雨まで降り出し、薄暗い部屋がさらに薄暗くなり、
そぼ降る雨の音と早くに暗くなる夕闇に冷え込む。

一昨日からの体調不良を誤魔化しながら過ごしたが、
寒いわけでもないのにずっと歯がカタカタ鳴っていた。

そろそろ大人しくしたほうがいい気がする。




調べものは、特に重要なことでもないのに量がある。

丁寧に調べようとしたら海外まで行くことになりそう。
そこまではちょっと無理なので、適度に必要なことだけ選ぶ。それでもまだまだ終わらない。


なんの調べものかというと、ちょっと言い難いが『魔法の薬』。

別に怪しくはないのだ。
ここで引かれても困る。

呼び方がそれしかないから、そう書くしかないだけで、
よくよく考えてみれば何てことはない一般的な術の数々だ。


調べている理由はここから先それらを扱うことになるからで、
誰が使うといえば、そういう雰囲気を部屋に飾って(多分)楽しめる人が対象。

別に私が何らかの理由で使用するというのではないのだ。
全く怪しくない。



伝承されているものや、すでに正体の知れているものを掘り下げていくと、
実に多様で研究の幅が広く、奥深いものだと改めて知る。

人の受け入れない時代に未踏の分野を調べ続けるのは、面白半分では到底続けられない。

知らない人からは邪険にされて疎まれたり、生命を奪われかねなかったり。
いやはや恐ろしい。
とても勇敢な、そして忍耐と聡明さが必要なことだったろうと思う。

心から感服する。


しかし中には空恐ろしいものもやはりあって。
そうした一部の異端が招いた悲劇が、現在も未だ拭いきれない黒いイメージを持つのかも。

ある本にこう書いてあったのだが・・・

『・・・敢えて黒魔法・白魔法の区別は本書では採用しない。
 霊の存在が善か悪かは、あくまでも術者の主観の問題である。』

そうだな、と思う言葉。

魂の宿る沢山の生き物の生と死、四元素の妙なる恵みと、
地球の起こす時間の流れなど、魔法に用いられる全ての材料は、
そもそもこの地球にあってこそのものだ。それらに善悪はあてはまらない。

摩訶不思議な名前をつけたり、いかにもマズイ見た目のものは、
ただ単にそれまで誰も求めなかった存在だから、そう捉えられたのかもしれない。


何でもそうだと思うけど、使う人間によるところが大きいのだろう。


あれこれ調べていくと、何もかもが「へぇ、なぁんだ」と思える身近なものばかり。
地域であったりなかったりは勿論あるけれど、そんな度肝を抜かれることはない。
呼び方を換えれば、レメディだって漢方だって魔法の薬。
(※レメディは気持ち『薬』というものだけど、材料がね)

恐ろしげな名前があるときは元を探って背景を知れば、じつはそうでもない。
確かに手を焼くものもあるし、やたらと高価珍妙なものもある。
たまに言葉に詰まる素材もあるが、それもまた、国や文化独特な気もする。


例えば、羊の肉を常食する国で、かたや心臓を一突きして解体するのに、
別の国では突然ひッくり倒して開けたお腹から心臓を握る・・・という違い。
に、あなたがどう感じるか、というのと同じ。

ギョッとするのは異文化というのも外せない。まして時代も古くなればそれはもっとだと思う。

日本人が生きたウニを喜んで割って食べるのも、
はたから見れば気持ち悪いに違いない。(私はウニが好きだけど。)

かわいいスズメを丸々串焼きにしているのだって、モミジなる鳥の足を煮込むのも、
もしかしたら黒い海苔をおにぎりに巻いて食べるのだって、
白魚の踊り食いだって、熊の胆嚢の乾物薬だって、
どこかの国の人々からしたらとんでもないことかもしれない。

マグロの冑焼きがアフリカの羊スマイリー(頭丸焼き)と何も差がないと思うか。
クジラを食べる驚きと、子豚の丸焼きにリンゴをくわえさせる驚きとの差は。

私はカトリックだけど、子羊肉を食べるというのに長年抵抗が消えなかったもの。
(なのに大人の羊は肉も内臓も常食だった)


魔法の材料もまた、反応の差異というだけなのでは。





魔法の薬、というのは、生活の中から生まれたもの。

昔々、医者がとんでもない療法で患者を苦しませたりする時代。
宗教が支配して弱者が幸福から遠ざけられた時代。

自然の力に目を向けて、その恩恵に救いを求めた人々がいた。


それは普通のおばあさんだったし、普通のお母さんだった。
森や海を生業にする老人やおじさんだったし、恩恵を教わる子供たちだった。

世界中のいろんな国で、自然と寄り添って生きた人々の知恵に過ぎない。




強く抱いた探求や切実な願いの生んだ『魔法の薬』だから、
どんな効き目があるのかと思いながら手に取れたら。

私はこの先そんな魔法の薬を、誰かの身近な夢見心となるよう用意したいのだ。




・・・とりあえず自分の症状から治したほうが良さそうだけど。




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