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見失いがちな感謝

.12 2009 革の部屋 Leather comment(0) trackback(0)


これを作ったのは結構前。
ちょっと思い出したことがあって、この写真を出した。

これは私がよく作っている袋・・・?小袋。
首から下げる、大切な物を入れる小袋。 
何度も話を出したことがある。


作り方は簡単で、1mくらいの3本の紐を三つ編みにして首にかける。
本体は5×4とか、そのくらいの出来上がりをイメージして革を合わせる。
カブセをつけるなら本体と同じくらいの大きさの革を用意して、本体の背に縫い付ける。
縫うといってもハト目抜きなどで等間隔に穴を打って、革紐でかがり合わせる。
フリンジがいるなら、フリンジ用の1本20cmくらいの紐を穴の数だけ用意して通す。
だけだ。

とても簡単で、だからこそ誰でも自分の大切なもののためにすぐ作れるものだ。


でも今日は、この小袋に至るまでのことが思い出した内容。
それは革までの道のり。

昨日、『感謝』という想いを自分の生きる道に携えた職人さんのことを書いた。

その人が言うように、食肉の副産物である皮。
言い方は置いておいて、革を作るまでには生きているものを死なせる始まりがある。
最終的な遺留品、というか、恵みのもたらしが、革なのだ。
その他に骨や角製のもの。

気にしていればきりがない、と思う人もいるだろう。
だが、食事と生活に1本の繋がりが当然のように通っている生き方をしていない人が多い先進国の社会では、「きりがない」と放るのは悲しい恩知らずにも思う。

家畜ではない動物を捕らえることは大変なことだ。
その動物の生態を知らないと出来ないし、生息場所を自分が知らないと踏み込めない。
草食だから弱いと誰が決めたのだか知らないが、草食の動物1頭仕留めるのにどれほど多くの知識と体験が要るだろうか。
仕留めるには死なせないとならない。はっきり言えば殺さないとならない。
ちゃんと食べるために殺すには『状態』も『順序』もある。
解体するにも『状態』と『順序』がある。

釣りで魚を自分で捌く人なら「あぁ、」と思うだろう。
弱って死ぬまでほうっておくより、頭と尾の切込みで血を出す肉の鮮度。
それと同じことが動物にもある。
そうやって殺して、初めて解体に移れるのだ。
解体するにもすぐに内臓を取って、そのあと皮を剥がす。
こんな1行でおさまる出来事ではないが、内臓を取るのも丁寧に慎重にしていかないと後に皮が勿体ないことになる。

こうして「皮を剥ぐ」までいったら、やっと皮を処理する行動に入る。
血肉を取って、というのもやってみると血肉はこそいで取るから重労働。
丁寧に丁寧に取り続ける。
済んだらようやくなめしの準備で、頭骨からとった脳をぬるま湯で崩して皮に塗って・・・と、こんなにかいつまんで書いても長い工程。

こうして時間をかけて、皮の状態に気を配りながら、『革』になる。
とった内臓や、皮の処理をする前の肉の切り分けも、放っておくことは出来ない。
出来る限り手を動かさないと1頭の命を無駄死ににもさせてしまいかねない。

少しでも勿体ないことにならないように、手をかけ時間をかけ『命』を自分たちの日々の糧に生かす工程がある。

今、都心や町に生きている私たちにどれくらいの感謝があるだろうか。
一人で生きているという自負を持つ都心住まいの人々に、どれくらいの『一人分』が見られるだろうか。
植物や貝の一本・一個。食べるまでに、また、食べ終わってもまだ使うために、どう動いてどうすれば適うか、常に出来ることだろうか。



私の作った小袋は、本当に最後に近い部分で出来たものだろう。
誰かが鹿を殺そうと動き、そして鹿が死に、その鹿を肉と皮に分け、皮をなめして革を作り、その革が染色され、革は職人の手でカバンとなり、そこで出た余り。

が、私のもとで大切な物を入れるための小袋になった。

この続きは、いつか使えない状態になった後、火に焼かれて灰となるのだ
私は革を触ることで、始まりにあった暖かい体を持った命を思い出しながら、毎日を過ごさないといけないと思う。

それは決して考えすぎでもなければ、考え方の違いでもないのだ。
あなたが生きている以上、もちろんあなたの話でもあると、私は思う。


どんなふうな生き方でも。


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