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鍵っ子

.16 2009 革の部屋 Leather comment(0) trackback(0)


しばらくの間、絵を描いていたから少し何かを作りたくなった。

鍵を持ち歩くためのものを作ろうと考えていた。


学校から帰って、鍵を自分で開ける子供。
そういう子をよく、鍵っ子、と言う。

私の周囲にも鍵っ子がちらほら。
共働きの家や、片親だと、子供は自分で鍵を所有している。
私の実家は祖父母の家だったので、学校から戻るとお祖母ちゃんがいた。
鍵っ子の友達を見ると、ちょっと羨ましかったのを覚えている。
のん気な羨ましさだが、無いものねだり。
一人で鍵を開け、家に友達を入れてお菓子やジュースを慣れた感じで運んでくる友達に「いいなぁ」と言っていた。


その鍵っ子側からしたら慣れれば気にしなくなるかもしれないが、寂しいと感じている子も少なくなかった。

それは、核家族化が増え続ける2009年現在でも変わらないようだ。
片親の子が近所にいて、いつも首からネックレスのように鍵を下げている。
その子の友達は彼の家に行きたがって歩きながら交渉している。
彼は家に入れたがらないで、外へ出て遊ぼうと提案しているのだ。

以前、その彼にお菓子を持たせたことがあった。
たまたま沢山焼いたお菓子があって、家の近くを歩いていたから声をかけて渡した。

彼には彼が1年生になる前からお母さんがいなかった。
お父さんが夜になると帰ってくる家で、近所にいた私のところにもお父さんが挨拶に来たことで、日中、気にかけて見るようにしていた。
お菓子をもらった彼は、無口で、でも受け取ってくれた。
何度かそういうおやつを渡す機会があって、彼は少し自分から喋るようになっていた。

お母さんのことは一切口から出ないのに、お父さんが大好きだとよく話していた。
お父さんが帰るまで家に帰りたくない、と話していた。

彼の首から下がる鍵を見て、無機質な鈍い光りがどうしても冷たく見えた。







鍵っ子でいる状況に、結局こんなケースは別に大きな意味もないと分かっているけれど。
ちょっとその鍵を見ない時間があったらいいな、と私なら思うかもしれない。
私は見ない時間に気づかないふりが出来るほど大人な人間じゃないけれど、それでもたまには、鍵をむしり取りたくなったりする悲しい時間もあると思う。

でも、その鍵がないと居場所に帰れない。
だから失くすわけにもいかないし。

子供だったら、ネックレスにしておいたほうが失くす確率が少ないのは確かだし。

鍵がすっぽり隠れてしまう、そんな入れ物を作った。
ネックレスにして使って、そのうち「こんなの首から下げるの恥ずかしい」、って思う時が来たら。
裏っ返しにすればナスカンが付いていて、紐も丸めてしまって、ただのキーホルダーになる。
ベルトループか何かにくっつけられたら、ポケットにしまうより落ちないかと思った。



あの子は大きくなった。
ギターを習いに行っている。
今はもう、鍵が別に嫌じゃないかもしれない。
昔は嫌がっていたけど。

今更、こんなのあげること出来ないけれど、こうして鍵入れを作ると鍵っ子の帰り道姿を思い出すようになった。

『お帰り』って、聞ける日が来るまで、鍵を持つ帰り道。



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