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約束の時計

.10 2009 革の部屋 Leather comment(0) trackback(0)

この時計には経緯がある。

ある人からの預かりものだ。その人はちょっと前に引っ越してしまった
その人がこの時計を最後に渡してくれた。

「EAさん、この時計のベルト直してくれませんか?」


見れば、ベルトはくたくたになって、割れた革から色がはがれて、切れ目まであった。
もう、その人が帰る時間にポケットから出された時計。
その時計を受け取って、了解した。

その人は言った。

「この時計、取りに来るんで。送んなくていいですから。この家まで取りに来るんで。」


そういうことか、と思った。
だから、ゆっくり直そうと決めた。 すぐに直してしまったら、きっとすぐに会いに来てもらいたくなるから。

「あとEAさん。」

彼は続けて付け加えた。 「俺の丁度いい穴、ここなんです。穴が足りないんですよ、自分で開けたんです、ここ。」
よーく見ると、ベルトの内側のほうにキリか何かで開けた穴があった。

折角ベルト、直すんだもんね。 覚えておきます、と答えて受け取った。

彼は手を振りながら帰って行った。








で、今日。

ふとカレンダーに目がいった。
カレンダーに重ねてかけてあった、腕時計。

もうそろそろ作ってもいいかな・・・と思って作り始めることにした。

小さなものだから、すぐに終わってしまうのは分かっているんだけど。
作り終えたら、連絡したくなるんだって分かってるんだけど。


まぁ、よく我慢したほうだ、と自分に言い訳をした。


左上にあるのが、彼の元のベルト。 ここまでくたくたに使ってもらえたら、革もお役御免で交代してもいいだろう。
よく頑張った。






糸が、革に合う色がないので染めることにした。

革は馬。傷はいつも通りあるにしても、ラフさが鹿などとは違う。って、イメージがある。

だから、糸もざくざくした糸じゃなくて、橄欖色。
茶色でもなく、緑って緑でもなく。

焦げ茶色っぽく見える森の苔みたいな『分類・緑』。



縫いあがって、時計はまた腕につくことになる。

以前の時計のベルト押さえの部分だけ、そのまま使うことにした。
ちょっと名残があったほうがいいもんね。

これで約束、叶うかもしれない。



すぐじゃなくても、それにもし戻ったとして少しの時間だけだとしても、

あなたの声やあなたの笑ってる顔やあなたの空気を、待ち詫びてる人がいるよ。

あなたの親友や、あなたに救われた人達がね。 




手紙を出そう、って今思う。

メールじゃダメだ。  手紙で、あんまり上手くないけど写真も添えて、出来ましたって送ろう。
穴も、丁度いい場所に開けといたよ、って。今度はベルトが回り過ぎたりしないで、腕にぴったりするはずだよ。








mr.バオバブ。 元気ですか?

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