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古牛

.08 2010 革の部屋 Leather comment(2) trackback(0)



何度この牛の話を出しただろう。
私はこの牛がどうにも好きでならないよう。

もういないのに。


それに、勿論だけど会ったことなんてあるわけないのに。










とても分厚い革で、焦げ茶色と黒の間くらいの色の革を見ていた。
そこそこの大きさがあって、うまく使えばミニポシェットくらいなら作れそう。

そう思って眺めていたんだけど、やはり切り取らないとならない部分があって、それをどう使おうかと考えていた。
この革もまた、今までと同じように5mm厚くらいあるし、小さくなると作れるものは限られてくる。
そして私の拙い技術の範囲でしか作れないのだ。
うーん、もったいないなぁ、と中途半端に大きさの残る部分に考える。


はじめ、これを作る前にはこの黒っぽい革でこそ出来る玩具を作ろうと思っていた。
でも途中から断念。なぜかというと、工具がないと進めないことに気付いたから。
器用に出来るなら、もしかすると工具はいらないかもしれないけど私には無理。
で、断念して、また別のことを思いつくまで時間が流れた。

そして最小限に角を削って形を作るために必要なところだけを作っていった。



生まれたのは、度々私の作るものに登場していたオーロックスだった。




自分が何故こんなにオーロックスに惹かれるのか。
自分でもよく理解できない。

深い毛に覆われた大きな身体で、焦げ茶色の波打つ毛並み。
曲がりくねって上向きに突き出る大きな角。
短くて太い首に、平らな背中。
節のがっしりした太い足。
広い顔幅に、毛に埋もれた大きな目。
強い筋肉にびっしり包まれた全身。


想像すると時間が消える。
そんな姿の野生の牛が、大空の下に果てしなく広がるステップに群れを成して歩いていたんだ。




余った革で作った手乗りサイズのオーロックス。

前に作った革の絵と、焼いて描いた絵と一緒に写真に撮ることにした。
絵の上に置いた古牛。
仲間と一緒になったように馴染んでいた。


また一頭の古牛が加わった夕方。

夕陽の光の消えかける頃。
今は無きその姿に影が落ちる。










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Kinu
野生の馬というと自然にイメージが浮かびますが、
野生の牛となると簡単にはイメージがわきません。
バッファローも牛のようですが、
私のなかでは牛でなくバッファロー。
今回のEaさんの牛は確実に「野生の牛」。
物静かであるけれど実に力強く逞しい。
皮の厚み以上の立体感を感じます。

この牛はとても大柄でどっしりとしていますね。
テキサスにロングホーンという種の牛がいますが、
彼らは名の通りとても長い角をもっており、
どちらかというと痩せ型です。
Eaさんの牛ととても対照的だな、と
ふと思い出しました。

馬の躍動的な美しさもいいですが、
野生の牛の寡黙な頼もしさにも惹かれます。

とてもいい作品ができました。

今日は寒いという言葉では
言い表わせないほど寒い日でした。
2010.01.09 11:25
ea
ええ、Kinuさん。そうなのです、この牛はがっちりしていて
私は初めて写真を見たときに、心臓を何かに掴まれたようなおかしな感覚でした。
立ちすくむというか、初めて見た、それも写真なのに・・・
それまでの人生が突然の強風にばっとさらわれて、目の前が草原になったような印象でした。
小さな写真の中に写る、背中の長い長方形の体。
骨ばっている家畜牛の体格とは違って、全身を満遍なく包む筋肉。
太くて丸太のような首。骨太の足。
なのに、目が優しいのですね。
現在の牛のイメージとは全く別の生き物のようです。

う~ん、何だか記事と同じことを繰り返していますね
人間がこのオーロックスを仕留めて帰るには、相当な知恵と勇気が要るのでは。
この牛は強靭な上に賢くて、そして物言わぬ威厳に溢れている印象が漂うのです

Kinuさん、そちらはとても寒かったんですね。
昨晩の動物達、無事だったのかちょっと心配です。
でもきっと、野生の生き物は常に寡黙で常に静かに強く生きているのですよね。
極寒の日々、一日も早くおさまりますように。

2010.01.09 11:48

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