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花の夢

.10 2010 一人芝居の部屋 comment(0) trackback(-)




昨日は作業が長引いて、結局ブログに載せることにならなかった。

今も作業の途中。まだ頑張らないと(無計画に作り始めたから非常にてこずっている・・・)。



昨日の縫い物の間、なぜかずっと思い出していることがある。
どうして思い出しつつけていたのか、それさえ分からないけど一日も終わる頃に気になった。

古い夢の話なんだ。



幾つか印象的な夢は覚えているのだけど、その一つに多分一生忘れないだろうと思う夢がある。

例え私が物忘れがひどくなって、自分のことも忘れるほどになったとしても。
ただ、古い夢といっても、今から数年前のことだ。




まだ30になる前だったか。

当時は今とは全然違う生活をしていた。
簡単に言えば、普通の生活であり、よく言う人並みであり、周囲の人もよく言うところの『普通』の人だったんだろう。
馴染めない私だけは『異常』だったと思うけど。

そんな、現実的には問題ないようなセットの中にいた、しかし心の葛藤で狂いそうになっていた時期だ。



ある冬の日、私は風邪をこじらせた。

風邪を引いても病院へ行くという習慣がない私は、始めの内は頭痛や咳が悪化した時だけ薬を飲むような感じだった。
だけどどういう訳か風邪は治らず、日を追うごとにひどくなっている気がした。

私は微熱が下がらないことに気がついて、さすがにちょっと不安が過ぎった。

(当時)毎日会う人間に『今日は具合が悪いから休ませてほしい』と頼むことにしたが、それは全く無視された。
『本当にまずいことになる前に、まだ体が動かせるうちに病院へ行こうと思う』、と話した。
でも再びその言葉も軽く却下された。

その後数日、私は動き続けたけれど、結局4日目の朝に膝からくず折れてそのまま倒れた。
もう体が支えられなくなっていた。

床に伏した状態を見てようやく周囲の人は騒ぎ始め、私はやっと休むことが出来た。



長い前置きだったけど、夢はこの日に見た。

人気のない暗く寒い部屋の中で、私は体温を時間ごとに計っていた。
病院が開いていない日だったから、家で横になるだけだった。

夕方頃、体温計が40・9度を指した。

その数字を見た後、私の意識は融けるように消えたのを覚えている。


目を開けたら、それは今まで見たこともないような素晴らしく美しい花が咲き乱れていた。
私は呆気にとられて『なんだ、この美しい花は!』と花の群生を見渡した。
それまでの人生で、ここまで美しい花が存在することさえ知らなかった。

赤や黄色の花々、青や紫色の蝶々。 さんざめく光の中で溢れるような光の粒に揺らいでいた。
花の群生の奥には深い緑色の大きな木立が見え、空もどこまでも輝くような永遠の空だった。

ふと横を見ると、黒い衣装に身を包んだ人たちが沢山歩いていた。

黒い衣装、というが、ただ黒いだけでまるで社交界の礼装のようだった。
若干古い雰囲気もある、広がった丸いスカートやドレス、中世のスーツのような服。

帽子や傘を持ったその人たちの顔が一切見えなかったのは不思議だった。

私はある金髪のお下げの女の子(この子も黒い服)と手を繋いで歩き始めた。
でもこの子の顔も見えないし、話は私が一方的に話していた。

歩く方向はどうやら皆一緒で、美しく輝く花の群れを過ぎて長い道に出る。
その道の先はこれもまた信じられないほど柔かい金色の明るい光が空に映っている。
『どこなんだ、ここは』
私の疑問は驚きだけに留まって、周りの人は黙々とその光の海へ歩いて行く。
その人数たるや半端ではない数だった。

すると道の始まりに一台のタクシーが停まっているのが見えて、私はタクシーに乗ろうと女の子に言った。
タクシーの運転手は窓から顔と肘を出すと、『乗せてください』と話しかけた私に向かってこういった。

『頭は賢く使うもんだよ』


『え?』と思ったら。 次の瞬間どこかで電話が鳴る音がする。
なんだ、この音はどこから聞こえるんだ?と頭を上げた私が見渡したのは、突然濃紺の闇の中だった。

あまりの違いに開けた目を大きく見開いた。
ベルはどんどん大きくなる。
一瞬、ベルを気にしないでおこうか、とも思ったけど、『ダメだ』とどこかで思う自分がいた。
すると開けていたはずの目がようやく重たく開いたのを感じた。

状況が全く理解できずに重い瞼を瞬きすると、薄暗い部屋の布団の端っこに電話の子機がライトをしばたかせていた。


『なんだよ、電話・・・?』と思い、子機をとって通話ボタンを押す。
電話の向こうから聞こえてきたのは弟の声だった。

随分鳴らして、仕事先から具合はどうしたと訊こうと思った、彼は話した。
まだよく分かっていない頭で、ぼそぼそと返事をして、すぐに電話を切った。


電話を切った後、あれは夢だったのかと知る。
そして異様に体が熱い上に、布団のかかっている部分に感覚が殆どないことも知る。

瞼は重すぎて開け続けられないし、腕を動かすのも自分の身体じゃないみたいだ。
息が短くて、呼吸が少ない。
やっと思い出す。 『熱が40度越えていたっけ・・・』という眠る前の事実。



とまあ、こういう夢を見たことがあって。

後日私は病院へ歩いていって、医者にかかるなり『なぜ入院していないんだ』と驚かれた。
肺は真っ白になっていて、3,4日前から肺炎だったといわれた。
私は入院は断って、点滴も断って、自分の家で養生したいからと薬を大量に受け取って帰った。

先生は緊急の連絡先と、病院の診療時間外の連絡先を教えてくれた。
私は死ぬところだったらしい。

41度を越え続けた体が脳に異常を起こしたどうかという検査の話もあったけど、私はぼうっとしていた。

救急車を呼べる身内や側にいる人間は?と訊かれて『分からない』と答えたのを覚えている。
死ななくてよかった、と何度も先生はレントゲンの写真を見て首を振った。



病院からの帰り道、ようやく気がついたのが、あの夢は俗に言う花畑の夢だったのだろうか、ということ。
人によって花の畑が異なるとか。
その人のイメージの花畑になるという話を聞いたことがある。


死にそうな目に遭ったのはその時よりも前に数回あったけど、あんな夢を見たのは初めてだった。




あの時のタクシーの運転手の一言が忘れられない。

自分がちゃんと生きているんだろうか、と思う時、あの言葉がよく思い出される気がする。












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