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魔法のテーブルかけ

.28 2010 革の部屋 Leather comment(2) trackback(-)
tablecloth2.jpg



魔法のテーブルかけで有名な話は、『北風のくれたテーブルかけ』だろう。

もう一つはイタリアの話で、それも殆ど内容は同じ。
ただ、若干イタリアのほうが人間臭くて面白い。



北風のくれたテーブルかけの話は、確か子供が主人公だった気がする。

ハンスという子が、粉を吹き飛ばされたために北風に「粉を返して」と言いに行くのだ。
すると北風は困って、「粉は無理だからこのテーブルかけをあげよう」と言う。

ハンスは無邪気に喜んで、帰りがけに泊まった宿屋に大切なテーブルかけを預けてしまう。
この宿屋が悪いやつで、ハンスの宝物を掏りかえるのだ。

おかげでハンスは家に戻っても「???」の状態。
そして無邪気なハンスは2回も同じことを繰り返し、北風のところにいっては何とかしてもらおうと交渉する。

とうとう3度目になると北風も渡すものが少々変わってくるもので、
北風の思惑通り、ハンスが3度目に受け取った贈り物は宿屋の悪い主人をこっぴどく打ちのめす。

ようやく3つの贈り物をきちんと家に持ち帰ることが出来たハンス。

お母さんと一緒に、美味しいご馳走と金貨をはく羊と、号令と共に動く杖に守られて幸せに暮らすのだ。



ここからちょっと長いから、イタリア版に興味のない人はまた明日。






(私の思うご馳走なんてこんな程度だ↑ 肉とスープがあれば満足。)




もう一つ、イタリアのほうの話ももらうものは同じ。
ご馳走の出るテーブルかけと、金貨を吐き出すロバ、あとは懲らしめの杖。


でもこっちのほうが可笑しい。

主人公は何をやらせても愚図で間抜けなアントニオ。
アントニオには6人のお姉さんがいて、アントニオもすっかり大人。
家は貧乏で姉たちは嫁にいけず、お母さんが必死になって働いている。
一向に貧しいままの家で、お母さんは役立たずのアントニオに出て行けと吐き捨てる。

アントニオは殴られながら追い出されて、雇ってくれそうな誰かを探して歩き始めた。

すると、人食い鬼が住む洞窟に出くわし、そのまま人食い鬼に雇ってもらうことになる。

物語ではえらい言われようの人食い鬼だが、これがかなり良いお方。
へまをやるアントニオでも遠くから見守ってくれて、うるさいことは何も言わない。
それにとっても簡単な仕事しかさせないのだ。

おかげでアントニオは気持ちも楽に1年を過ごす。

1年も経つと家が恋しく思えてくる。あんなひどい追い出され方をされても帰りたい。


と、こういう流れで、元気のないアントニオに同情した鬼は、テーブルかけを土産にして家に帰ってよいと言う。

なんて良い鬼なのだろう。
人食い鬼と紹介されながらもちっともそんな場面もないし。

アントニオは一つだけ忠告される。
家に帰るまで開くんじゃないぞ、と。


分かったよ、とアントニオは返事をし、鬼のところから半マイルも行かないうちにテーブルかけを開く。

ご馳走が出てきて大喜びしたアントニオ。
もう金持ち気分で自慢げに宿屋に泊まる。
そして案の定、「このテーブルかけはものすごく大切な魔法のテーブルかけだから、ちゃんと預かってくれ」と、
馬鹿丁寧な言葉を添えて宿屋の主人に預けるのだ。

アントニオ、恐るべし。


勿論主人は夜中のうちに掏りかえる。 そして何食わぬ顔でアントニオを明朝送り出す。

家に着いたアントニオは母親におおいばりで自分の手柄を見せようとするが、
何にも出てこない布っ切れを前に、大声で命令し続ける馬鹿息子の姿に母親は怒り狂う。

石を投げられ「もう二度と帰ってくるな!」と追い返されるのだが・・・


ものすごくガッカリしたアントニオを再び迎えた人食い鬼は、もう1年ここで働けと促してくれる。
アントニオは翌年もまた家に帰りたい病が頭をもたげ、鬼はもう一度土産を持たせて家路に送り出す。

そして昨年も言われたあの一言。「絶対に家に着くまで、このロバに声をかけるなよ。」

アントニオは「勿論だ」と約束し、鬼の住処から500mほどのところでロバに声をかける始末。
金貨がざくざく音を立ててこぼれ落ちる。
アントニオは・・・・・

同じことを繰り返し、そして同じようにただのロバを家に連れ帰り、お母さんに殺されそうなほど殴られて、
そしてしょんぼりしながら鬼のところへ舞い戻るのだ。


さすがに鬼もあきれ返る。

「お前はどうしようもないやつだ。自分のせいだろう。」
アントニオ、うなだれる肩に力はなく、なんにも言い返せない。

それでも鬼はもう一度、ここで働いていいぞと言ってくれる。


そしてまた次の年、アントニオは懲りずに家に帰りたくなる。

鬼も今度ばかりは「お前に同情できない」と言い、家に帰してやるけど次に取られてももう知らないぞ、と最後の土産を手渡す。
アントニオは鬼に礼を言って「二度も経験したからもう分かってる」と杖を受け取る。

鬼はもう一言付け加える。
「女は口で約束する。男なら態度で約束しろよ。」
アントニオは大丈夫だから、と今度こそ約束を守るつもりで出発した。

そして500m行かないうちに、杖に「たて!」と言うのだ。
途端に杖はものすごい勢いでアントニオを殴り始める。
これにはアントニオも肝がつぶれるほど慌てるのだが、「杖よ、倒れろ!」と言う暇もないほど打ちのめされる。
息も絶え絶えになるほど打たれて、ようやく「倒れろ!」と言えた。

ぼっこぼこになった顔で全身あざだらけになりながら、宿屋に泊まる。
そして「この杖はたいそう大事な杖だから、絶対『立て』とは言うなよ」と主人に渡すのだ。

主人は3年目も同じアホが来たと大喜び。
アントニオにふかふかの羽根布団ととびきり上等なご馳走とお酒でもてなして、さっさと休ませる。


そして言うのだ、「杖よ~・・・ 立て!」

おかみさんがアントニオに助けを求めるまで、主人は宿屋の一階で半殺しになるまで打たれることになる。
おかみさんが泣きながらアントニオの部屋の扉を叩いて助けを求めるが、
アントニオは「今迄取った俺のものを今すぐ返さないなら、杖は止めない。」と突き放す。

翌日、杖とテーブルかけを小脇に抱えてロバに乗りながら、アントニオはようやく気持ちも晴れ晴れと家に帰るのだ。


それからはお母さんも働かなくてすみ、お姉さんたちも皆お嫁に出せて、家は安泰になった・・・



と、いうのがイタリア版。



私はこっちのほうが好き。

鬼とアントニオのやり取りが面白いもの。

アントニオに自分を重ねる場面も結構ある。
私も役立たずで間抜けだ。
それでも見守ってくれる誰かに手を焼いてもらいながら、何とか幸せになろうとする。



魔法のテーブルかけ。

人様には預けないように気をつけないと。





tablecloth4.jpg


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comment

ea
私も作ってから、お話を書いていくうちに、「ああ、違ったか」と(笑)
革のテーブルかけとなると、完全に魔物や鬼の持ち物ですね。
布です、テーブルクロスですもの。
うっかり革で作ってしまいましたが、きっとお話の中では布製です。

北欧の話『北風の~』は有名ですね。
でもイタリアのほうの話は知る人は知っているというタイプかも。
きっと子供向けにはなれないのでしょう(笑)
私が読んだ本も、児童向けというよりはもう少し大きい年の子が読むような棚にありました。

Kinuさんが『しっかりして!』と言いたくなるの、分かります。
私も物語の言い回しが面白くて大笑いましたが、アントニオが何とも・・・
お馬鹿さんと一言で言えば終わってしまいますが、彼は善人。
礼儀正しく鬼に挨拶したので雇ってもらう、という場面もありましたし、
ぶたれても蹴られてもお母さんとお姉さんのいる家に帰りたがる。
彼が幸せになってとっても安堵できたお話です。
心の広い鬼のお蔭である部分は大きいと思います。

さすがイタリア。 泣いたり笑ったり怒ったりけんかしたり。
人間劇(鬼も含む)が実に愉快です。
幸せになるなら、とことん幸せになれるのです。


>簡単に宝物やお金を生みだす道具の存在は
>信じられませんでした(夢がありませんね・・)。

Kinuさんらしい、堅実な見方です。
それに、Kinuさんだけでもなさそうなのですよ。この堅実さ。

お伽噺にもこうしたきちんとした概念を持つ人はいるのです。

ここには書いていませんが、今日の記事にでもその話を書きますね。
御伽の話といえども、善人向きの幸せ話と悪人向きの不幸話だけではないようです・・・
よくありそうな現実的なお話もあるのですね。

私はKinuさんと反対で、現実向けの話はとことん避けます(笑)。
夢心地のお伽噺まで私から無くなったら、私は人生の半分の希望を捨てることになってしまう(笑)。
2010.04.30 11:47
Kinu
テーブルかけという言葉、随分長いこと耳にしませんでした。
そうですね、ふつうテーブルクロスといったら布。
皮のテーブルかけはすごいですね。
やっぱり肉やブランデーなど、
強いイメージの食べ物が思い浮かびます。
会席料理は考えられませんね。

御伽噺によく貧しい善人が最後に
宝物やお金がでてくる道具を得て
幸せに暮らすというお話がありますね。
そして悪人がその道具を手にすると
その効力はでてこない・・・
子供のころから現実派だったのか、
簡単に宝物やお金を生みだす道具の存在は
信じられませんでした(夢がありませんね・・)。
でもよい人、わるい人の存在は
はっきり意識できました。
結局はそこが要点なわけですから
御伽噺の役目はきちんと果たされました。

上のお話ははじめて知りました。
それにしても鷹揚な鬼ですね。
2度目のあたりからアントニオに
「しっかりして!」と言いそうになりました。
珍しいお話をありがとうございました。
2010.04.30 10:44

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