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夕日の思い出

.19 2009 他素材の部屋 Other material comment(0) trackback(0)


昨日、海へ行った。
広い砂浜で、貝殻を探した。三浦海岸に行くと、馬がいた。
もしかして、と思って砂浜を歩いたら、やはり波打ち際は貝が踏み砕かれていた。
砂浜の奥にはまだ踏まれていない貝があったけれど、打ち上げられたばかりの白く変化していない貝を探しに来たので少し残念だった。

貝殻を削ってボタンを作る。そのための貝殻拾いだったのだが、集め始めるといろいろと落ちているのに気がつく。
バフンウニが割れて砂に刺さっていた。流木の大きなものがごろりと転がっていた。石のように丸くなったガラス、ヒトデ、羽・・・

羽も使うから拾った。
筒状の芯に房を通して、筒の上から薄い革で巻く。房をまとめていくのには良い方法だ。あまり使用しないのは、それほど羽が落ちていないからという理由だけだ。家に大き目の鳥を飼育している方は抜けた羽を使えるだろう。

流木も拾った。が、流木ではないかもしれない。竹のようだが、とにかく何か植物だと思う。竹にしては節と節の感覚がつまっている気がするけれど、見慣れていないだけなのかも。
その太目の植物は潮に洗われて、カラカラになった乾いた色が日の光に艶やかに光った。家に持って帰って削ることにした。

何度も形を見て考える。何を作れるんだろう?

落ちているものが幾らでも変わる。もとのその形だけでも、それ相応の優美さや柔らかな穏やかさがあり、端材を使うのと同じだ。
短い節をよく見ると何かの動物みたい。なんだっけ?なんだろうな?と思い出すようになぞっていく。節は枝の付いていた跡が一列に並ぶ。滑らかに摩擦された折れ口が密集した繊維を・・・ 竹は空洞じゃなかったかしら?
これなんなのかなあといちいち戻りながら、とにかく削り始めた。

小刀は柔らかい植物を滑り始め、乾いた破片が落ちてゆく。
節を全部削り落とすのは嫌だった。少し残しておきたいと思ったとき、これは牛だと気付いた。野牛。アメリカバイソンでもいい、ヨーロッパバイソンでもいい。
そう思ったら、今まで見てきたバイソンの姿を一生懸命思い出した。大きなこげ茶色の頭、離れた黒い玉のような目。山のような肩。一番初めに見たのは、動物園でだった。
幼稚園のときに連れて行かれた動物園の夕方。閉園の時、ゲートの大きな木の扉の裏に小屋があった。見上げる小屋の壁、子供の頭より少し高い柵がついていて、中は真っ暗だった。じっと見ていると、きらりきらりと夕日の筋のような光を受けた何かがあった。私は柵に張り付いてよく見ようとした。
それは、大きな顔だった。気がつくまでにかなり時間がかかった。柵一枚を挟んで、私はアメリカバイソンと何分も見つめ合っていたのだ。

母が気がついて、恐る恐る私を掴んでゲートに連れて行った。
怖くなかった?と聞かれたが、私は優しい大きな目の瞬きが感動だったので、それ以来バイソンが好きになった。その時、母には「もっと居たかった」と答えていた。

夕日が差す頃、削り終わった。もろかった部分がたまたま前足部分で、楊枝を挿して蹄のように立つ。
小さなバイソンが、私の手の平に乗った。貝殻を少し取って目にした。
きらきら光の輝く目で、野牛は夕日の中に戻っていた。


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