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お別れ

.04 2009 革の部屋 Leather comment(0) trackback(0)

ある時期を過ぎると会えなくなる人がいる。
その人に会う回数が何ヶ月、一年、何年・・・と続くと、ある時ぴたっと会えなくなることに不自然さを感じることがある。


たとえば、何かを教えてくれていた先生だったり、逆に生徒だったり、職場の人だったり、毎日通る道で会う人だったり、しょっちゅう買い物に行くところの人だったり。思い出せば次々にそういう人の顔が出てくる。

私の立場で言えば、私は先生でも生徒でもないし、職場らしい職場もない。でも、道で会うとか買い物先の働いている人とかは誰でもあるのではないだろうか?こういう相手なら私にも思い当たる人が数人いる。
私達は他にも多くの人たちと、あまりに自然に、日々を生きているものだろう。


だけど、ふと気がつくときがある。ある時、その誰かと会わなかったとする。
会えなかった、と捉えるものか。兎に角会わなかった日があったら。
次の時もその姿を見つけられなかったとする。その次もその次も。そして何日かしてようやく思うのだ。『あれ、最近○○さんに会わない気が』という変な違和感。


私の身近な人で、たこ焼きが大好きな人がいる。
その人は毎日仕事が終わるとたこ焼屋さんの前を通るたびに必ず(本当に必ず)たこ焼を一箱買っていた。

仕事ではない日も、そのたこ焼屋さんの前を通ったりすると買う。
他のたこ焼屋さんでもたま~に買うものの、やっぱりお気に入りのたこ焼屋さんに吸いつけられるように買う時はそこで買っていた。

あまりにも(週6くらいで)たこ焼きを買うために、たこ焼屋さんに『どこに住んでいるの?家帰るまでに冷めちゃわないですか?』と聞かれたりしたようだ。
その人は車で職場に通勤していて、たこ焼屋さんの前に車を停めて買っていたから。車で来てまでたこ焼を買い続けていると思われたのだろう。

たこ焼屋さんは、彼には殆どと言っていいくらい、毎回非常に熱いたこ焼を渡してくれていた。10分経ってもかじる事さえ出来ない、箱を手で持つことさえ困難な熱し方のたこ焼であった。少し冷めているものの時は値引きしてくれた。(でも、そんなの1回だけ。それ以外は極熱だったから)

そんな彼がある日転職・引越しをする。そしてたこ焼屋さんとは正反対の方向に住み、たこ焼屋さんを通過することも出来ない交通手段の電車になってしまった。

行きたくても行けない。休みの日もたこ焼屋さんに行くことが出来ないようになった。

彼は今もたこ焼を思い出し、たこ焼屋さんを寂しそうに懐かしむ。「きっとおばさんもおじさんも、あの人来なくなったねって言ってるんじゃないかな・・・」と悲しそうに笑って思い出す。
実際は多くの来店客がいるから、一人の常連をどこまで思い出すか知る由無いが、でも、彼にとってはたこ焼屋さんは不意の『お別れ』をしてしまった日常の一場面だった。


うっかり『たこ焼屋さんと男性の話』になったが、私にもこういうことがある。だが、この↑話しのほうがしみじみ来やすいのでこの話にした。
私はほんの少し、その日常に未練でもあるのか、前もって『お別れ』になると分かった場合は何か渡したがる傾向がある。
もらった人がそんな困らないでいいような、お返しとかを考えなくていいような、そういう物を渡したりする。

直接大きな関わり方がなくても、何となく『お別れ』はその時を揺さぶる。
誰かを思い出す、とか、誰かに知っていてもらっている、とか、それは思いがけず人間の脳裏に大切に記録されているのかもしれない。

砂時計が細く静かに積もっていって、最後まで来たらクルッと逆さになってしまうみたいに、人の出会いはいくつかの砂時計を終わらせてはまた出会いの繰り返しなのかも。


小さい袋を縫ってブレスレットを入れた、よくある小物を用意した。今日は、私の日常の誰かさんと、もうすぐ『お別れ』を迎えるある日。
その人とは一年余だったと思うが、顔を合わせると挨拶をして、1,2分の世間話をしたことがちょくちょく。それだけの間だ。でも、なんとなく砂時計の残りに目が行くのと心境が似ている。

何に包むでもないこの革袋を今日、いつもの時間に会った時渡そうと思う。


どうかお元気で。


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