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もの作り

.06 2012 革の部屋 Leather comment(2) trackback(-)
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何時間も作っていると、目の前にあるものを見ていない時間がある。

ふと気がついた時にそれを知るのだけど、
手の中にある制作中の何かではなく、頭のどこかで見ている何かを見つめ続けている。
そういう感覚に気がつく時がある。





何を作っていてもそう、というのでもなく、これは想像作品の時に多い。


実用的な制作は、作業一つ一つに気を配ってきちんと見ていないとできない私なので、
『作っている』意識がほとんど占めていると思う。
ちゃんと革を切り出すとか、きちんと目を打つとか、きれいに縫うとか、
そういうことをいつでも気にしていないと実用ものはすぐ失敗してしまうからだ。

私は昔から、練習すれば上達する、という部類には縁遠い能力の持ち主らしい。
世の中、練習しても天性の不器用さが勝って、特に上達しない人もいるものなのだ。



話を戻す。
 
想像作品の制作の時は、きちんと作る意識というのか、
ああしなきゃこうしなきゃ・・が少なくなる。
飛び飛びで注意して作業する場面は勿論あるけれど、大方何かを勝手に作っている感じだ。

どこかで分かっているような、ちょっと妙な感覚で進んでいく。

だから制作中は、目が4つあるような気分になる。
二つは手元を見ている目で、もう二つの目は頭の中を見ている気がする。


頭の中の何かを感じながら、手元が動いていく。
粗を言えば、作り自体はそこまで丁寧じゃないことになる。
丁寧にしたいけれど、それを意識すると頭に立ち込める煙の姿が見えなくなるから出来ない。


目くるめく煙の世界は、始まりを想像することは出来ても、
立ち上り始めたらどんどん増えていく。
広がる想像を止めることも操ることも出来ない、そういう場所で、
対象を見失わないようについていかないと作れなくなってしまう。

頭の中で見えているものを手に乗せたいと思うなら、
少しの時間を制作という作業に預けて、途中つまづいても転んでも追いかけ続けることになる。


私は一つにつき、一つしか選べないのだ。
頭の中では「見続ける」ことだけを。 動いている手は「形にしていく」だけを。





毎度、出来上がった想像作品を眺める段階になると、
『ここ縫えばよかったかな』とか『もうちょっとこっちだったのか』とか、
ちょっとずつ反省箇所が気になる。

でもそういう時は、机の真ん中にそっと置いてやると、
粗探しの小さな反省箇所はどうでもよいこととしてあっという間に消えていく。


そして、『私はこれが見たかったんだ』と嬉しさが湧き上がってくるのだ。


反省点を振り返るのは、少々なら必要だろうけれど、
細部が云たらとこだわるようなものじゃない。 
そんなことより、何がしたかったのか、表れたかどうかが本当に大切なことだと思う。

今はそう思える。




・・・結構前の話だが、ジャックの豆を作ったことがある。

どうしてかここ最近になって、豆が伸びた先にあった宝が気になりだした。
革で作ったハープは柔らかいから動きやすいだろう。
勝手に歌って勝手に奏でてくれる楽器なのだ。体がこわばっていないほうがいい。


誰かが触るまで、ハープは目覚めない。
目が覚めるとき、弦はぴんと張って、鳥は首を伸ばして歌い始めるのだ。






どんなに小さなものであっても、ほんのわずかな欠片のような存在であっても、
それを表せることを心から感謝している。

見たいものを見える場所に連れて来れることに、いつも本当に嬉しく思う。







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comment

ea
Toto-noさん ご覧頂き、ありがとうございます。

ジャックと豆の木の絵本、たくさん出ていますね。私も何冊か読みました。
そのたび挿絵に描かれている素敵な世界に、「こんな素敵な場面をこの目で見れたらなぁ」と思いつつ・・・
これはどんなお話にも当てはまるんですけれど、
結局自分で作って、見たいものを見ることに至りました~ 
歌うハープに感動して頂けたとあって、とっても嬉しいです。ありがとうございます!

展示、近畿のほうにも行きたいです。
といっても関東でも全然展示していないので、まだ先の話なのかもです。
行く機会に恵まれたら、すぐここでお知らせしたいと思います。

コメントをありがとうございました!


2012.10.14 14:05
Toto-no
ジャックと豆の木のお話を検索してたどり着きました。
歌うハープの絵はいろんな絵本でみましたが、実際に形になっているのを見つけて感動しました!
どこかで見ることは出来ますか?他の作品も一緒に展示されたりありますか?近畿のほうにお出かけする時は、ぜひブログでお知らせして下さ~い!
2012.10.14 10:21

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